スライド28

 靴袋を下げた登校風景も、もう見られなくなります。
*【参考】60周年式典の様子とシューズロッカーについて
 六十周年を迎え?、我々生徒が一番うれしかった事と言えば、シューズロッカーが寄贈された事だと思う。何と言ってもあのわずらわしい靴袋を持たなくてもいい事。シューズロッカーが、いつの間にかブックロッカーに変身する事(先生にはないしょだけれど…。)これらの事は、我々が素直に喜べる事だと思う。
 しかし、式典の前半は、睡気をこらえるのに、みんな必死だったようである。さもな
ければ、前後左右と雑談。これでは、せっかくの催しも無意味だったのではないか。私は「日曜にわざわざ登校して、こんな程度か」ぐらいにしか思っていなかった。
 でも、校長先生や来賓の挨拶が済んでから場内はスライドの上映によって少し変わった。内容は簡単な物だったか、六十周年を物語ったスライドは、我々を楽しませてくれた。このスライドを見ている時は、睡気をこらえる者もなく、さっきまでおもしろくない思いをしていた事を忘れた。特に、釧中時代の生徒の様子や現在の校舎との比較などは、私の心を引きつけるものがあったような気がする。それに現在も使用されている剣道場が映った時、みんなの声がわき上がった。でも、もう少し欲を言うと、後ろの方まで良く見えなかった事が残念であった。
 さて、いよいよ応援団の登場で、場内、拍手と歓声の渦に巻き込まれた。全員による応援歌、壮行歌の合唱で式典の最後を飾った。やはり、前半の、たいくつな思いを忘れて、生徒の顔にも、先生の顔にも、そして、来賓の皆様の顔にも、六十周年を祝う雰囲気が漂っていたように思われた。
 そして、真新しいロッカーをあけ、靴をはき替えて帰る生徒の顔には、楽しそうな笑顔があった。

「湖陵」60周年記念誌より(当時1Cに在籍していた藤田敦子さんの文章)